ハンガリーの恐怖の歴史を展示する博物館。感想は?
旅をすると、その土地の歴史を知ることもひとつの醍醐味です。
ハンガリーの負の歴史を知ることができる、恐怖の館(Terror Háza)に行ってきました。
外観はこのようになっています。
この建物はもともと、ナチス・ドイツの元に作られた矢十字党(ファシズム政党)の本部、地下室は牢獄として使われていました。矢十字党はたくさんの女性や子供や老人、そしてユダヤ人を収容しました。
その後、共産党時代にはハンガリー国家保衛庁(ÁVH)がこのビルを乗っ取り、ハンガリーの宗教指導者や政治活動家が拷問、殺害されました。
入口でチケットを購入します。追加料金で音声ガイドをつけることができますが、ハンガリー語と英語のみで、日本語ガイドはありません。
バックパックなど大きな荷物は持ち込むことができないため、入り口カフェ横のロッカーに預けます。
館内は撮影禁止のため、写真はありませんが、中に入ると大きな戦車と亡くなった方々の石彫刻があります。
そして、恐怖をあおるような音楽が流れ、照明が照らされています。
何も知らずに来ると、遊園地のアトラクションに入ったのかなと思うと思います。
館内は順路があるので、それに沿って館内の展示を見て回ります。
けっこう悲惨な映像が流れています。
以前訪れたアウシュビッツも、あまり悲惨さを強調しすぎないような施設でしたし、広島の原爆ドームも世界遺産になるに際し、明るくきれいになっていたので、世界的にそのような方向に進んでいるのだと思っていたので、驚きました。
特にヨーロッパは大戦の反省から、特定の国家や民族に対する憎しみを植え付けないよう、あまり残酷な表現はしないのだと聞いていたので。
前述した音楽や照明もそうですし、むしろ恐ろしさをあおるような館内になっています。
この映像が実際に起こった現実ですし、二度とこのような歴史を繰り返してはいけないという想いからでしょう。
最後に地下牢に降りるのですが、ここがリアルでひとりでまわることに恐怖を感じました。絞首台があり、かなり近くで見ることができるのですが、実際ここで首をくくられて亡くなった方の息がかかってきそうな気持になります。
展示はハンガリー語か英語でされているため、正直英語またはハンガリー語ができないとよく分かりません。
せっかく良い施設に来たのに、十分に吸収できずに帰るのはもったいなかったです。
ハンガリー語または英語が苦手な方は、予習してから訪れた方がより充実した時間を過ごすことができると思います
たくさんの犠牲になられた方々の歴史の上に今の平和がある。黙祷し、建物を出ました。